特性 01
本品は、投与を受ける患者のT細胞に、ヒトCD19を標的とするキメラ抗原受容体 (CAR)を遺伝子導入した遺伝子改変自家T細胞製剤であり、投与されるCD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の不均一を低減させる目的で、予め規定された細胞成分比で構成されます。
特性 02
in vitro試験において、本品に含まれるCAR T細胞成分は、抗CD19モノクローナル抗体由来の一本鎖可変フラグメントによりヒトCD19発現細胞を特異的に認識し、本品細胞の活性化、細胞増殖、炎症性サイトカインの放出、及び細胞傷害作用を誘導しました。 また、マウスを用いた実験においても、本品に含まれるCAR T細胞成分はヒトCD19発現細胞に対する抗腫瘍活性を示しました。
出典:
社内資料(承認時評価資料):効⼒を裏付ける試験(2021年3⽉22⽇承認、CTD2.6.2.2)
特性 03
本品は、CAR発現生T細胞としてCD8陽性細胞(20×106~50×106個)及びCD4陽性細胞(20×106~50×106個)を、合計細胞数が体重を問わず100×106個を目標(範囲:44×106~100×106個)に、CD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の比が1(範囲:0.8~1.2)となるよう、CD8陽性細胞を静脈内投与した後にCD4陽性細胞を静脈内投与します。
特性 04
国際共同第Ⅲ相試験
一次治療後に再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及び濾胞性リンパ腫(FL)(Grade 3B)を含む自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした国際共同第Ⅲ相試験:TRANSFORM試験(JCAR017-BCM-003試験)の有効性評価集団(ITT解析対象集団)184例(日本人9例を含む)について、主要評価項目とされた無イベント生存期間で標準治療群に対する本品群の有意な延長が検証されました(ハザード比[95%CI]*2:0.349[0.229-0.530]、p<0.0001*2、層別Cox比例ハザードモデル、有意水準 α=0.012、検証的な解析結果)*3。
*1
一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(de novo又は形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2とBCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、Grade 3Bの濾胞性リンパ腫(FL)のいずれかと診断された患者のうち、アントラサイクリン系薬剤及びCD20標的薬を含む一次治療の化学療法に難治性又は12ヵ月以内に再発した自家造血幹細胞移植適応患者とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。
*2
ランダム化に用いた層別因子(一次治療の治療効果[PD、SD、PR又はCR達成後3ヵ月経過前に再発/CR達成後3ヵ月以上経過後に再発]及びsAAIPI[0又は1/2又は3])を層別因子とした層別Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。
*3
2021年3月8日データカットオフ
出典:
社内資料(承認時評価資料):JCAR017の国際共同第Ⅲ相試験(JCAR017-BCM-003試験)(再発⼜は難治性のアグレッシブB細胞⾮ホジキンリンパ腫)
Kamdar M et al.: Lancet 2022; 399(10343): 2294-2308
〔利益相反〕本研究はBristol-Myers Squibbと関連会社の資金・支援により行われた。
特性 05
海外第Ⅱ相試験
一次治療後に再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及び濾胞性リンパ腫(FL)(Grade 3B)を含む自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした海外第Ⅱ相試験:TRANSCEND-PILOT-017006試験(017006試験)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2は、有効性評価集団(本品投与有効性解析対象集団)61例において80.3%(95%CI*3:68.2-89.4)であり、閾値50.2%に対して統計的に有意でした(p<0.0001、片側正確二項検定、有意水準 α=0.025、検証的な解析結果)*4。
*1
一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、DLBCL非特定型(de novo又は形質転換FL)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2とBCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、Grade 3BのFLのいずれかと診断された患者のうち、アントラサイクリン系薬剤及びCD20標的薬を含む一次治療の化学療法に難治性又は再発した自家造血幹細胞移植非適応患者とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。
*2
Lugano効果判定基準(2014)に基づくIRCによる判定
*3
Clopper-Pearson法による両側95%正確CI
*4
2021年9月24日データカットオフ
出典:
社内資料(承認時評価資料):JCAR017の海外第Ⅱ相試験(017006試験)(再発⼜は難治性のアグレッシブB細胞⾮ホジキンリンパ腫)
Sehgal A et al.: Lancet Oncol 2022; 23(8): 1066-1077
〔利益相反〕本研究はBristol-Myers Squibbと関連会社の資金・支援により行われた。
特性 06
国際共同第Ⅱ相試験
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)(Grade 1、2、3A)及び辺縁帯リンパ腫(MZL)を含むインドレントB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした国際共同第Ⅱ相試験:TRANSCEND FL試験(JCAR017-FOL-001試験)を実施しました。
6.1
FL(Grade 1、2、3A)(三次治療以降):三次治療以降で本品が投与されたFL患者(コホート1、コホート2)の有効性解析対象集団101例(日本人8例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は97.0%(91.6-99.4)*4であり、閾値60%に対して統計的に有意でした(p<0.0001、片側正確二項検定、有意水準 α=0.025、検証的な解析結果)。
6.2
FL(Grade 1、2、3A)(二次治療):二次治療で本品が投与された濾胞性リンパ腫患者(コホート3)の有効性解析対象集団23例(日本人1例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は95.7%(78.1-99.9)*4であり、閾値50%に対して統計的に有意でした(p<0.0001、片側正確二項検定、有意水準 α=0.025、検証的な解析結果)。
6.3
MZL(三次治療以降):三次治療以降で本品が投与されたMZL患者(コホート4)*1の有効性解析対象集団66例(日本人2例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は95.5%(87.3-99.1)*5であり、閾値50%に対して統計的に有意でした(p<0.0001、片側正確二項検定、有意水準 α=0.025、検証的な解析結果)。
*1
再発又は難治性のインドレントB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、FL(Grade 1、2、3A)又はMZLと診断され、以下のコホート1~4のいずれかに該当する患者とした。
- コホート1:3つ以上の全身療法歴があるFL患者。うち1つ以上は抗CD20抗体(リツキシマブ、オビヌツズマブ等)とアルキル化剤による併用療法を含む。造血幹細胞移植は前治療レジメンとして許容された。
- コホート2:2つの全身療法歴があるFL患者。うち1つ以上は抗CD20抗体(リツキシマブ、オビヌツズマブ等)とアルキル化剤による併用療法を含む。造血幹細胞移植は前治療レジメンとして許容された。
- コホート3:抗CD20抗体(リツキシマブ、オビヌツズマブ等)とアルキル化剤を含む1つの全身療法歴があり、POD24(最初にFLと診断されてから6ヵ月以内に抗CD20抗体及びアルキル化剤の投与を受けた後、診断後24ヵ月以内に認められた病勢進行と定義)に該当する又は改変GELF基準(以下①~④)のうち1つ以上を満たすFL患者。
① FLに起因する症状(B症状に限定されない)
② 切迫した臓器機能障害、リンパ腫に起因する血球減少又はbulky病変(7cmを超える腫瘤が1つ又は3cmを超える腫瘤が3つ以上)
③ 脾腫
④ 6ヵ月以上にわたる持続的な増悪 - コホート4:2つ以上の全身療法歴があるMZL患者。うち1つ以上は抗CD20抗体(リツキシマブ、オビヌツズマブ等)とアルキル化剤による併用療法を含む。造血幹細胞移植及び脾MZLに対する脾臓摘出は前治療レジメンとみなしたが、節外性MZLに対する抗菌薬治療は前治療レジメンとはみなさなかった。
なお、いずれのコホートでも悪性腫瘍による病変が中枢神経系のみの患者は組入れ対象外とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は 組入れ可能とした)。
*2
Lugano効果判定基準(2014)に基づくIRCによる判定
*3
Clopper-Pearson正確法に基づく
*4
2023年1月27日データカットオフ
*5
2024年11月29日データカットオフ
出典:
社内資料(承認時評価資料):JCAR017の国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-FOL-001試験コホート1、コホート2及びコホート3)(再発又は難治性のインドレントB細胞非ホジキンリンパ腫)
Morschhauser F et al.: Nat Med 2024; 30(8): 2199-2207
社内資料(承認時評価資料):JCAR017の国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-FOL-001試験コホート4)
〔利益相反〕本研究はBristol-Myers Squibbと関連会社の資金・支援により行われた。
特性 07
海外第Ⅰ相試験
再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)を含むB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅰ相試験:TRANSCEND NHL 001試験(017001試験)において、MCLコホート*1の主たる有効性解析対象集団74例について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は86.5%(76.5-93.3)であり、閾値40%に対して統計的に有意でした(p<0.0001、片側検定、有意水準 α=0.025、検証的な解析結果)*4。
*1
TRANSCEND NHL 001試験MCLコホートの患者は、MCLと診断(細胞遺伝学的検査、FISH又はPCRを用いて、サイクリンD1の発現又はt(11; 14)の所見に基づき診断)され、アルキル化剤、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤(BTKi)及びリツキシマブ(又は他のCD20標的薬)を含む治療を受けており、かつ2つ以上の全身療法を受けた患者とした。なお、主たる有効性解析対象集団とはされなかったが、1つ以上の全身療法を受けた患者も組み入れられた。
なお、悪性腫瘍による病変が中枢神経系のみの患者は組入れ対象外とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。
*2
Lugano効果判定基準(2014)に基づくIRCによる判定
*3
Clopper-Pearson法による両側95%正確CI
*4
2023年1月19日データカットオフ
出典:
社内資料(承認時評価資料):JCAR017の海外第Ⅰ相試験(017001試験MCLコホート)(再発又は難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫)
Wang M et al.:J Clin Oncol 2024; 42(10): 1146-1157
〔利益相反〕本研究はBristol-Myers Squibbと関連会社の資金・支援により行われた。
特性 08
安全性
重大な副作用として、サイトカイン放出症候群(50.5%)、神経系事象(34.0%)、感染症(6.4%)、血球減少(35.4%)、低γグロブリン血症(5.8%)、infusion reaction(0.8%)、腫瘍崩壊症候群(0.5%)が報告されています(副作用の発現頻度は、以下の臨床試験を併合した結果に基づく)。
一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、本品が投与された89例(日本人5例を含む)中77例(86.5%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症(52.8%)、サイトカイン放出症候群(49.4%)、血小板減少症(40.4%)、貧血(36.0%)、発熱(18.0%)、頭痛(12.4%)、疲労(11.2%)、リンパ球減少症(10.1%)等でした。(承認時までの集計)
一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅱ相試験において、本品が投与された61例中48例(78.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(37.7%)、好中球減少症(31.1%)、疲労(27.9%)、貧血(16.4%)、振戦(16.4%)、白血球減少症(13.1%)、錯乱状態(13.1%)、血小板減少症(11.5%)、リンパ球減少症(11.5%)等でした。(承認時までの集計)
再発又は難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅰ相試験において、2つ以上の化学療法歴又は自家造血幹細胞移植歴があるDLBCL患者で本品が投与された269例中201例(74.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(42.0%)、疲労(17.8%)、好中球減少症(16.4%)、貧血(13.8%)、頭痛(13.4%)、血小板減少症(11.5%)、錯乱状態(11.5%)、振戦(11.2%)、低血圧(10.4%)等でした。また、2つ以上の全身療法歴があるマントル細胞リンパ腫患者(1つ以上の全身療法歴がある患者を一部含む)で本品が投与された88例中77例(87.5%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(61.4%)、好中球減少症(35.2%)、疲労(20.5%)、頭痛(15.9%)、錯乱状態(15.9%)、貧血(12.5%)、発熱(12.5%)、血小板減少症(11.4%)等でした。(承認時までの集計)
再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相試験において、2つ以上の化学療法歴がある患者で本品が投与された46例(日本人10例を含む)中42例(91.3%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症(52.2%)、サイトカイン放出症候群(41.3%)、貧血(39.1%)、血小板減少症(39.1%)、発熱(39.1%)、白血球減少症(23.9%)、錯乱状態(15.2%)、疲労(13.0%)、発熱性好中球減少症(13.0%)等でした。また、一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者で本品が投与された27例(日本人2例を含む)中24例(88.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症(55.6%)、サイトカイン放出症候群(48.1%)、発熱(29.6%)、血小板減少症(25.9%)、貧血(18.5%)、白血球減少症(14.8%)等でした。(承認時までの集計)
再発又は難治性のインドレントB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相試験において、FL(Grade 1、2、3A)で本品が投与された130例(日本人10例を含む)中114例(87.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(57.7%)、好中球減少症(51.5%)、貧血(27.7%)、血小板減少症(17.7%)、発熱(14.6%)、リンパ球減少症(13.8%)、疲労(12.3%)、頭痛(10.0%)等でした。また、MZL患者で本品が投与された67例(日本人2例を含む)中63例(94.0%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(76.1%)、好中球減少症(53.7%)、血小板減少症(25.4%)、白血球減少症(16.4%)、振戦(14.9%)、疲労(14.9%)、貧血(13.4%)、リンパ球減少症(10.4%)、頭痛(10.4%)等でした。(承認時までの集計)
詳細につきましては電子化された添付文書(以下、電子添文)の「副作用・不具合」及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。
